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一般向けOTC簡単知識

鎮咳(せき止め)薬の選び方

鎮咳薬の種類

鎮咳(ちんがい)薬に使われる成分として、「麻薬性」「非麻薬性」に分かれ、「非麻薬性」には「抗ヒスタミン」や「アドレナリン作動」、それ以外のものがあります。

麻薬性

「コデイン」類です。長期に渡る連用を禁忌としている代わりに、効果が高い成分です。

非麻薬性

「ノスカピン」や「デキストロメトルファン臭化水素酸塩」等です。

非麻薬性(抗ヒスタミン系)

「クロルフェニラミンマレイン酸塩」等です。主にアレルギー症状に効きます。

非麻薬性(アドレナリン作動系)

「エフェドリン」類です。生薬の「麻黄(マオウ)」も含まれます。主に気管支拡張による気道の確保を行います。

 

鎮咳薬は眠くなる?

基本的に眠気を起こす成分が多いです。

アドレナリン作動に属する成分は眠気を引き起こしませんが、これだけを配合した鎮咳薬というのはまず存在せず、たいてい他との組み合わせで、結局、運転をしてはいけないという禁忌が付いてきます。

どうしても眠くなりたくないという場合には、漢方の「五虎湯(ごことう)」「麻杏甘石湯(まきょうかんせきとう)」「麦門冬湯(ばくもんどうとう)」「甘草湯(かんぞうとう)」等があります。

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年齢制限

「コデイン」類はこれまで(~2018年)は小児でも使用が可能でした。しかし、麻薬性による依存等の観点から、2019年より12歳未満は禁忌となりました。

それ以外は大きな年齢制限はありません。外箱の使用可能年齢を確認して使用してください。

 

鎮咳薬の主成分

コデインリン酸塩、ジヒドロコデインリン酸塩

麻薬性の成分です。鎮咳としての効果は高く、ジヒドロコデインリン酸塩は特に効果が高いです。

依存性があるため、使用は短期間に止め、大量に服用しないように注意が必要です。

12歳未満は禁忌の成分です。

授乳中も禁忌です。乳児のモルヒネ中毒を引き起こす可能性があります。

この成分には止瀉(下痢止め)の効果もあります。もともと便秘気味の場合は特に使用を短期間に止めてください。

ノスカピン、デキストロメトルファン臭化水素酸塩、チペピジンヒベンズ酸塩 等

非麻薬性の成分です。特に注意する点はありませんが、デキストロメトルファン臭化水素酸塩は「MAO阻害薬」との使用は禁忌です。

クロルフェニラミンマレイン酸塩、カルビノキサミンマレイン酸塩、ジフェンヒドラミン塩酸塩 等

抗ヒスタミンです。主にアレルギー症状によるものに効きます。

ジフェンヒドラミン塩酸塩は特に眠気を引き起こすため、大人が使用する風邪薬や鎮咳薬には使われていることは少ないです。その代わり、小児用のシロップ剤等に配合されていることがあります。

メチルエフェドリン塩酸塩、プソイドエフェドリン塩酸塩、麻黄(マオウ) 等

アドレナリン作動です。

プソイドエフェドリン塩酸塩に限り、他のアドレナリン作動と違い、心臓病や甲状腺機能障害、高血圧や糖尿病等がある場合は禁忌となっているため、注意が必要です。

なお、エフェドリンはスポーツ選手のドーピング対象の成分のため、注意が必要です。麻黄にもエフェドリンを含みます

 

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