ちょっとした疑問を解決

一般向けOTC簡単知識

解熱鎮痛薬の選び方

解熱鎮痛薬の効く範囲

解熱鎮痛薬と聞くと、まず思いつくのは「頭痛」ではないでしょうか。

しかし、「鎮痛」と銘打っているということは、「頭痛」に限らず、『痛み』に対して効果を発揮します。

「頭痛薬はどこ?」「歯の痛みに効くのはどれ?」なんて聞かれますが、案内するのは同じ「解熱鎮痛薬」です。

では、解熱鎮痛薬で対処できる範囲はというと、簡単に言うと『内蔵痛以外』です。

胃や腸の痛みには効きません。しかし、それ以外の腰の痛みや傷の痛み等にも効きます。

ちなみに、月経痛(生理痛)にも効きます

 

なぜ胃が痛くなる?

解熱鎮痛薬は胃が痛くなるとよく言われ、実際、副作用として出やすいものです。

胃が痛くなるメカニズムについてですが、その前に、そもそも、解熱鎮痛薬ってどうやって痛みを止めているのかということです。

これは簡単なことで、「痛みを伝えている物質を止めている」のです。

痛みというのは『プロスタグランジン』という物質が伝えます。ということは、こいつが痛みを伝えなければいいのです。簡単なことでしょ?

……と言っても、ただ痛みを伝える役目のみがあるわけではありません。

「プロスタグランジン」は胃粘膜保護の役目も担っています

これを止めてしまうと、胃粘膜保護の機能が低下し、自らの胃酸が胃を攻撃するようになってしまいます。そのため、胃が痛くなるのです。

そのため、止めてしまう代わりに、胃粘膜保護を行うための成分を追加している製品が存在します。

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解熱鎮痛薬は眠くなる?

解熱鎮痛を行う主成分が眠気を引き起こすことはありません

眠気を引き起こすのは、『ブロモバレリル尿素(ブロムワレリル尿素)』と『アリルイソプロピルアセチル尿素』のニ成分です。

これらは「鎮静成分」で、解熱鎮痛成分の補助として痛みを抑える効果を高めます。しかし、『鎮静』を行うため、眠気が引き起こされるのです。

つまり、眠気を引き起こしたくなかったら、これらが入っていない製品を選べばいいのです。

 

年齢制限

15歳以上でしか使えないものが存在します。

また、成分の基本情報として15歳未満がOKでも、製品上、15歳未満の使用は認めていないものも存在します。

年齢制限は必ず外箱に書いてあるので絶対に確認してください。

 

解熱鎮痛薬の主成分

アセチルサリチル酸

「アスピリン」とも呼ばれているものです。成分としての歴史は古いです。

特徴として、「胃痛が起こりやすい」ことがあり、現在は比較的胃痛が起こりにくい、イブプロフェンが主流になっている為、数はあまり多くありません。

この成分は15歳未満は禁忌です。

また、出産予定十二週以内の妊婦も禁忌です。

イブプロフェン

現在、解熱鎮痛薬や風邪薬で主流の成分です。

比較的胃痛が起こりにくいとされています。

また、抗炎症作用もあり、喉の腫れ等にも有効です。そのため、風邪薬に多く使用されています。

成分量として600mg/1日のものも存在しますが、注意事項が増えているので必ず確認してください。

この成分は15歳未満は禁忌です。

また、出産予定十二週以内の妊婦も禁忌です。

アセトアミノフェン

解熱鎮痛成分は胃痛が起こる可能性があるという話をしましたが、この成分は他と作用の仕方が違うため、胃痛が起こることはほとんどありません

より効果を高めるため、エテンザミドカフェインとを組み合わせたものは『ACE処方と呼ばれます。

この成分は15歳未満でも使用できます

ただし、エテンザミドは水ぼうそうやインフルエンザに罹っていたり疑いがある場合は使用しないでください

イソプロピルアンチピリン

比較的鎮痛作用が強く、抗炎症に劣る成分です。

ピリン疹」という特有の副作用が出る可能性があり、特に既往歴のある場合は使用しないでください。

(ちなみにアスピリンはピリン系ではありません)

この成分は15歳未満でも使用できます

ロキソプロフェン

イブプロフェンと同じ分類で、抗炎症にも優れた成分です。

ただし、リスクの観点から、2018年12月現在、第一類医薬品となっています。そのため、薬局でしか買えません。

この成分は15歳未満は禁忌です。

また、出産予定十二週以内の妊婦も禁忌です。

 

解熱鎮痛薬の補助成分

ブロモバレリル尿素、アリルイソプロピルアセチル尿素

鎮痛を補助する鎮静成分です。

これらは長期連用は禁忌です。中毒性があり、特にてブロモバレリル尿素はかつて自殺に多く使われた成分です。

眠気を引き起こすので運転操作も禁忌です。

カフェイン

鎮痛を補助する成分です。

カフェインと言うと、眠いときに摂ると目が覚めるというイメージがあると思います。

実際、そういう効能を謳った製品がありますが、それはあくまで「眠気防止薬」として販売されている場合のみに言えることで、それ以外では「眠気が取れる」という効能は謳えません

そのため、上記のニ尿素が入っているけど、カフェインが入っているから眠くならないとは言えません。

アルミニウム、マグネシウム、合成ヒドロタルサイト

解熱鎮痛成分の胃の痛くなる状況を緩和するため、胃粘膜を保護する成分です。

合成ヒドロタルサイトはアルミニウムとマグネシウムの両方が含まれている成分です。

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